ぴ〜教授のショートサスペンス あなたはこのfinalに耐えられるか!
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■ 究極玩具−4
「メイ?誰だろう。」記憶にメイという女はいない。得体の知れない不安とある種の期待もいだき、
俺は、いつものもぐらカフェに行った。「やあ、おやじさん。」「お、ぴ〜さんか。ボンジュール!もう、ぴ〜さんの相手は
ここにはいないぜ。」ここのおやじは、フランスかぶれで、なんでも若い頃、フランスにいたらしい。最近のフランス
旅行で、もぐらたたきに出会い、日本に帰ってから、この店をはじめた。俺たちは、NonNonおやじと呼んでいた。
もぐらたたきの腕前も、このカフェではNo2.リングも緑で99964位である。
「おやじさん、俺に会いたいって人から、ここに呼び出されたんだけど、なんか聞いてない?」
「誰だい、その人って?」「メイって人だけど」
「えぇ、メイだって!!そりゃあ、ぴ〜さん、おめでとう。また1つランクアップのチャンスだぜ。」
「この人は、次のランクグループのゲートキーパーなんだ。待ってろよ、今BBSで調べるから。
出てきた。今夜7時、ぴ〜さんが来たら、よろしく」
「じゃあ、案内するよ。」俺はおやじの跡をついていった。いつものプレールームを横切り、さらに奥へ。
そして、1つのドアの前にでた。「さあ、中へ。彼女が待ってるはずだ。」
俺は言われるまま中へ入った。高級感漂う、エグゼクティブクラスの空間である。
奥のソファーに女が座っていた。
「あのう、メイさんですか?」「ぴ〜さんね、どうぞ。とうとうここまで来たわね。私、メイです。」
振返ったその顔を見た。知らない顔ではなかった。2,3回会っている。そう、常務秘書の浜崎皐月。
「浜崎さんじゃないか、君がメイか。」社内一と言われている美人である。そして、彼女の中指に緑のリングを
確認した。「君もするのか?」「そうよ、私も社内では相手がいなくなってね。ずっと待っていたのよ。だからって
これ以上の上のランクもいけないしね。もぐら協会から次に上がれる人をチェックする、ゲートキーパーを担ったの
じゃあ、しましょうか。」
「君とか」「そう、私と」
モニターを向かい合わせた。私は愕然とした。モニターに映ったもぐらたちは、【社長、副社長、専務、常務、取締役】
いわゆる会社経営幹部であった。「おい、マジかよ。内の会社はクローンが経営してるのか!」
「そう、私を弄だ男達。おもしろいでしょ。私のコレクションよ」
「彼らを取り戻し健全な会社にしないと!」というような妙な正義感が湧いてきた。
そして、ランクを確認10000位
「8万ぐらいの差がある。しかし、やらねば。ランダムでやろう。」「いいわよ。」ランダムボタンを押した。
ゲームが決まった。【しりとり】である。スタート。しりとりは永遠と続いた。これは記憶の限界、体力の限界が
勝負を決する。そして、24Hが経過した。俺は仕掛けをかけた。彼女を見て、ウィンクをした。彼女は一瞬
私の言葉を逃した。そして勝負は決した…。
俺は楽しみだった、次の点数とランクが。点数 2022220 ランク8025位 リングは黒
とうとう0.01%の域に達した。そして、幹部は開放された。彼らはどれくらいもぐらだったんだろうか。
これからの昇進が楽しみだ。
「おい、ぴ〜さん、負けただろう。」と言いながら、俺のリングが黒に変わっているのを、NonNonおやじは
確認した。「ヒュ〜。こりゃあ、もう俺達の世界の人じゃあなくなった。すごいなぴ〜さん、これからは、闇の世界だ
俺にもわからねぇ。気をつけろよ!」
浜崎皐月とはそれ以来付き合っている。よき、アドバイザーとして。そして、彼女との過酷な練習が続いた。
もぐらたたきのバーチャルゲームは新しいメニューが毎回追加されていく。この攻略が、キーである。
このころ勝負の場所に使われたカフェは、ちょっと高級なクラブになっていた。昔賑わった銀座界隈も
この手のカフェに変わらないとやっていけない時代だ。
私がよくプレイに出かけたのは、「J」という店で、こぎれいな落ちついた店である。ママの名前はKumi。
きっぷのいいママで勝負がつかない時も、そのままオープンしてくれたし、泊めてもくれた。ママ自身は
もぐらたたきはしないらしいが、この筋の人とは付き合いがあるようである。
そして9ヶ月が過ぎたころ、俺のリングはゴールドに輝いた。98位。
しばらくしてメールが届いた。
レインボー挑戦権争奪トーナメント開催のお知らせ
時:3月25日 AM0:00 スタート
詳細はおって連絡いたします。
今回は、日本から3人、米国2人、中国2人、インド1人、フランス1人、コートジボアール2人
ブルガリア2人、ブラジル2人の15人がベスト100に入られました。
あなた様の参加をたのしみにしています。
(…つづく)