ぴ〜教授のショートサスペンス  あなたはこのfinalに耐えられるか!

 
  女優-1('02/10/26)  女優-7('02/12/15)    究極玩具-4('03/2/16)

 
 女優-2('02/10/30)  女優-8('02/12/16)    究極玩具-5('03/2/22) 

 
 女優-3('02/11/3)   4人の男('03/1/22)    究極玩具-6('03/2/28)

 
 女優-4('02/11/10)  究極玩具-1('03/1/27)

 
 女優-5('02/11/16)  究極玩具-2('03/1/30)

 
 女優-6('02/11/26)  究極玩具-3('03/2/1)
   


 究極玩具−2

会社に来るまでに、結構、リングを着けている人を見かけた。
「そりゃそうだな、1億個販売だもんな。途中、
赤いリングを着けた人も何人か
見かけたけど、いきなり声を掛けられないしなあ。」と思案していた。

「おはよう。」と受付の
洋子ちゃんにいつも通り挨拶して、エレベータに向かった。
ぴ〜さんもぐらたたき買ったの?」っと後ろから声がした。受付の洋子ちゃん
からだ。「うん、買ったよ。どうして」「どうしてって、
赤いリングしてるじゃん」

「そうそう、でもね、
もぐらを探さないと、ゲームができないみたいだし、こんな
都会に
もぐらなんかいないしね。それに、それを教えてくれる赤いリングをしている
人を捜さないといけないし。なんか、たいへんそうなんだ。」

「じゃじゃあ〜ん」と言いながら、
洋子は左の中指をみせた。そこには赤いリングが光っていた。
「教えてあげよっか?条件次第ではね。夕食ゴッチ」
「いいよ。じゃ、仕事終って6時にロビーで。」

仕事が終るのが待ち遠しかった。6時に
洋子ちゃんは、ロビーにいた。
「さあ、教えてくれよ。」
「慌てない、慌てない。まず、夕食よ。イタメシね。」
結構値のはる、イタメシだった。「まあ、いいやこれぐらいは。」

「それじゃ、行きましょ。」「どこへ?ここじゃないんか?」
「話、するより実践よ。実践。
もぐらカフェよ」
もぐらカフェって」
「昔はやったインターネットカフェみたいなもんよ。そんなことも知らないの。」
そう言えば、そんな感じの建物ができているような気もする。

洋子は慣れた感じでもぐらカフェに入った。私も遅れまいとついて行く。入場料500円。
結構リーズナブル。「あそこ空いてるわ。あそこに座りましょ。」
「それじゃ、説明するわよ。」
「まず、
もぐらたたきを、対面でおくでしょ。そして、オープン。電源ON.そしてスタート
どうモニターが写ったでしょ。そして、【相手】って書いてある、ボタンを押して。何が映った?」

「なにがって、
もぐらたたきに入った小さい人形が3つ見えている」
「そう、それが
もぐらよ。今映ってるのわね、私のもぐらたたきに入っているもぐらなの。こっち来て見てごらん」
確かに、
洋子もぐらたたきに入っている人形が私のモニターに映っているのだ。3匹といっていいのか、3体
入っている。「私も今のところ3匹だから、
もぐらたたきできないんだけどね。この人形というかもぐらをね、取り合うの」
もぐらと言われても、どうみても生きている人間の超ミニチュア版である。

「5体そろうと、
もぐらたたきできるし、リングの色も5体揃うと青色に変わるのよ。
ある程度のリングは状態をあらわすようなんだけど、一定レベルを過ぎると、
黄色とかとか
いろんな色に変わるみたいよ。それを示すのが、モニターの上のウインドウで、なんか点数みたいなの
出てるでしょ。ほら、0点って。私は1200点、ほら。」

「ふ〜ん、なるほど。それでどうやって、取り合うの?おれ0体だぜ。」
「次は、そこよね。まず、
リングのこのボタンを押して」「こんなところにボタンがあったのか。」押してみた。
アンテナらしきものが1cmぐらい伸びた。
「そして、このサングラスと手袋をつけて。」左手の中指だけは指の部分がなかった。

3Dバーチャル空間を作り出す、超小型サングラス型PCであった。
「いろんなゲームのメニューが見えるでしょ。それで、2人でゲームをして、勝った方が
相手から
もぐらをいただくのよ。」

「なるほど、じゃあ、一度やってみようよ。」「私と、やるの?」洋子はしばらく考えた。
「まあ、ぴ〜さんはじめてみたいだし、軽く勝てるわね。」と算段をして、OK!を出した。

「じゃ、ゲームはっと、これでいい。温泉ピンポン。」「温泉ピンポン!なんでもあるんだなあ」と思っていると
見る間に、3D空間は温泉の座敷に変わり、ピンポン台が現われ、2人は浴衣姿になった。
洋子の姿はなんとなく胸が見えそうで、色っぽかった。勝負はあっけなく終った。
俺の圧勝だ。洋子は1点も取れなかった。

洋子は呆然として、悔しがっていた。そして、食い入るようにモニターを見ていた。
スコア−ボードとランクを示すウィンドウの隅に数字が現われ始めた。数字は
を示した。
洋子はなんかホットした表情をした。なんか、ほんとにホットしたようだ。(…つづく)