エピソードC社シリーズ5 

"H氏との友情物語"
『"武士の生首"は"団塊の世代"』の巻


我が国では1947年から1949年までに生まれたベビーブーム世代を「団塊の世代(だんかいのせだい)」
と呼ぶのだそうである。
ここに述べるH氏も「団塊の世代」の人であった。しかし、H氏は"ある誤解"をしていた。

現在もC社に在籍しているH氏は頭のてっぺんが横山ノックのように"つるつる"で、すその髪をサンバラ
にのばしているので"武士の生首(ぶしのなまくび)"というニックネームで呼ばれている。
しかし、明るく楽しい性格の持ち主であり、話が面白いので、誰からも愛されていたのだった。

今から10数年前、大阪で行われたC社のあるイベントにおいて、H氏が演壇でスピーチする機会があった。
1,000名以上の社員を前にH氏は、力強いよく通る声で次のように話し始めた。

「われわれ"だんこんのせだい"は…」
一瞬静まり返る場内、その後、しだいにザワメキ、話が進むにつれてドヨメキへと変わっていった。
そのときの聴衆の反応を実況中継すると、

「はて、"だんこんのせだい"となっ。
日本の歴史上、そんな"えっち"な時代があったっけ。
うんっ!ひょっとして、"団塊の世代"のことか?…」

後の記録班の報告によると、H氏は10分のスピーチの間に"だんこんのせだい"という言葉を
35回も連呼したらしい。
関西人の習わしで、誰もその読み間違いをH氏に注意したり、訂正もしなかった。
H氏は、いまだに自分は"だんこんのせだい"の人だと思い込んでいるにちがいない。

このシリーズ続きます。おもしろいですよ。こうご期待!

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