エピソード5 鎖骨を折った男
今から3年ほど前(1997年)、まだそれほど携帯電話が普及していなくて、持っている事
自体が一種のステータスとなっていたじぶん(電話代が高かった)
、ローミングができるようになってこれは、すごいと感心しまくっていた時代です。
C社のA君と私は出張で東京に来ておりました。仕事も終わり、晴れての開放タイム
予定通り、飲みに出かけました。酒もまわって”なんかの疑問点”が湧き上がってきました。
もう、答えがでないとおさまりきれません。出ました、天下の注目度NO1携帯電話の登場です。
東京から大阪に電話かけまくりです。もちろん、C社のA君の携帯です。
何人目かで、C社のB君(A君の部下)に、電話がかかりました。どうやら、酒場に連れといる
ようで、こちらは既にできあがって帰る準備中。連れに電話がかわりました。
私の部下のD君でした。一言二言会話後、突然、”がちゃ、ガタン”とけたたましい音。
電話機からは、”プーン”。それっきりでした。東京では”ほっとけ”の一言。
翌朝、肩から包帯をかけられ左手を吊って現れたD君。自転車を押しながら、携帯
片手に会話して、バランスくずして、なぜか、鎖骨を折ったそうです。
カルストの”鎖骨を折った男”です。
治るまで、ニヶ月。”たわいもない疑問”が引き起こした運命です。未だに、どんな疑問で
あったのか、答えがなんであったのか思い出せないでいます。
C社のA君は、一ヶ月後、電話代に目を剥いていました。これも運命でしょうね。
(人間万事塞翁が馬)