エピソード3 UFOキャッチャーをキャッチャー
人間と言うものは、知らない土地に行くと大きくなるもんである。
これが、集団となるとなおさら手がつけられない。これもまた、鳥羽。
例によって例のごとく、連中の旅行である。
旅館には大概ゲームコーナーというのがある。いまどきは、採算がとれないので、
設置してないところも多いが、このころはまだあった。それも、このころ、やや下火の
UFOキャッチャー。機嫌よくみんなやっていた。何人かがGET。
誰かが、あることに気がついた。「下から、手をいれたら取れるんと違うんか」
即実行、手がとどいて何個か取れたようだ。それでも、なんか不満、満満、
また、1人、「これ持ち上げて斜めにしたら、取れるで」と。
4人ぐらいでUFOキャッチャーを持ち上げた。
大漁である。みんなウキウキしながら、ゲームセンターから帰ってきた。どうやら
ゲームセンターには誰も居なかったらしい。部屋の隅の監視カメラが一部始終を
見ていた事に、誰も気づいていなかった。
翌日おとがめがなかったのは、旅館のサービスだったのだろうか?
過激な男たちに怯えていたのであろうか?これって、犯罪だよね。