U.A.Eアブロード4 魅惑の夜
砂漠の夜がこんなにきれいとは思わなかった。満点の星空である。それをバックに
演出効果を出しているのか、ライトはすべてかがり火になっている。ほの暗くぼやっとした
灯りである。食事も一段落した頃、真中の広場に集まってくださいというアナウンスが
英語で流れたような気がした、やはりそうだった。みんながぞろぞろと真中に動きはじめた。
我々も、何があるか知らないけれど、遅れてはまずいと思い、日本人独特のずうずうしさと
旅の恥はかきすて根性で、真中に急いだ。広場の中央には、おおきな舞台になるように
しきりがしてあった。10m5mぐらの広さだろうか?みんなその回りに陣取って座る。我々も
真中当たりにすわった。
音楽が鳴り始める。神秘的なアラビアの音楽である。1人の女性が舞台中央に現れた。
アラビアの衣装とベールをかぶった女性である。女性は音楽に合わせ、腰をひねりながら
激しい踊りを踊り始めた。悩ましい、官能的である。そう、これが”べりーダンス”である。
K氏は我を忘れ、喜んでいる。歓んでいる。やがて、1曲終り、ダンスも終った。女性が
お客さんを誘い始めた、次は、どうやらお客さんといっしょに楽しんで、踊るらしい。
アメリカ人や海兵隊と何人か選ばれた。そして、K氏も。どこでも目立つらしい。K氏歓び
勇んで舞台中央へ。
そして、踊り始めた”ベリーダンス”を。アラビアンナイトの夜はいつまでも続く。
翌日K氏の腰と足は違う方向に向いていた。
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